



日本で消費されているバナナのほとんどは輸入品ですが、国内でもバナナが栽培されていることをご存じでしょうか。鹿児島県の徳之島では、いたるところで自生しているバナナを見ることができます。輸入バナナと同じ品種で大ぶりなグロスミッシェル種や、手のひらに収まるサイズ感の小笠原種など、4種ほどのバナナを総称して“島バナナ”と呼んでいます。島では多くの家の庭先にも生えていて、当たり前のように家庭で食べられているそう。一般的に売られているバナナに比べると酸味があり、さわやかな味わいが特徴で、もっちりとした食感がやみつきになるとか。今回はひと房の総重量が12〜13kgにもなるという、グロスミッシェル種を収穫する様子を見せてもらいました。




島バナナの食べごろは、緑の皮が黄色く変化したころ。シュガースポットと呼ばれる茶色の斑点が皮に現れると一層甘さが増します。ひと房が同じタイミングで熟すので、一度に食べ切れない場合には皮をむいて冷凍しておくと、アイス感覚で食べることもできます。
バナナは多様な糖類を含んでおり、これが徐々にエネルギーに変化します。持続してエネルギー補給ができるため、朝食として食べるのもお勧めです。また、バナナにはカリウムが豊富に含まれています。カリウムには筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにしたり、ナトリウムを身体の外に出しやすくしたりする作用があるため、スポーツをする人はもちろん、塩分の摂り過ぎが気になる人にもピッタリです。







「島バナナは徳之島ではよく食べられているのに、なぜ商品化されないのだろう」。そんな疑問を抱いた平山さんは、定年退職を迎えた5年前から島バナナの生産と研究を本格的にスタート。徳之島の島バナナは自然栽培のため、生産量や味にばらつきがあり、流通は難しいと考えられていたそうです。そんな島バナナを島の特産品にするべく平山さんは立ち上がりました。「燃料を使うハウス栽培にすれば生産はコントロールしやすいが、コストがかかって高級バナナになってしまう。手頃な価格で多くの人に味わってほしい」という思いから、露地栽培にこだわり、花が咲いた日などを細かく記し、ベストな収穫タイミングを表計算で導き出しているそうです。また、バナナの大敵である台風対策のための支柱の立て方も研究し、島バナナ生産を次代につなぐための土台を固めています。「輸入バナナは食べられないという人がいるほど、島バナナはおいしいですよ!」と語る平山さん。「手塩にかけた国産バナナをぜひ食べてみてください!」




徳之島最大のイベントといえば、400年以上の歴史をもつ闘牛です。春、GW、お盆、年末年始の年4回開催される島を代表する風物詩。人気の牛が戦う番組(番付)には3000人もの観客が集まり、熱気に包まれるのだそう。直径約20mのリングの中で1トン級の牛同士がぶつかり合う姿は圧巻です!
また、徳之島ではホエールウォッチングも人気。ロシアの海まで回遊しているザトウクジラが、12月~3月にかけて徳之島近海で出産や子育てをします。運がよければ親子クジラも見ることができるそうですよ!


