



徳島県那賀郡の水と空気がきれいな山地で育つ、上那賀葉わさび。この地域では、古くから自生している葉わさびが食べられていたそうです。本わさびの葉や茎を食すのが葉わさびで、口に含むと、わさび特有のさわやかな風味とピリッとした辛味が広がります。
葉わさびが育つハウスの中を見せてもらうと、盛り上がった畝に艶々とした緑色の葉が所狭しと広がっています。毎年同じ圃場で作ることができるうえ、力仕事が少ないことから、女性でも長く生産を続けられるとか。産地では、刻んで塩もみをし、熱湯をかけたのちに数分蒸らして、下ごしらえをします。こうすることで、葉わさびの辛みが引き立つそうです。下ごしらえをした葉わさびは、冷蔵庫で一週間ほど日持ちするので、様々な料理にアレンジすることができます。





葉わさびにはビタミン類が豊富に含まれています。特にビタミンCの含有量はレモンの1.5倍もあるといい、すっぱいものが苦手な人でも葉わさびを食べることでビタミンCを摂取することができます。消化酵素のジアスターゼも含まれており、消化促進や腸内の有害細菌を抑える作用があるので、胃腸の調子が気になる人にもぴったりです。
そして、葉わさびの茎で楽しめる独特のシャキシャキ感の秘密は、豊富な食物繊維にあります。その効果は加熱しても失われず、腸内環境を良好にする働きが期待できます。また、香り成分に抗酸化成分が含まれているほか、抗炎症作用がある成分も摂ることができます。







ゆず農家に嫁いだことをきっかけに就農した西岡さん。ゆずのオフシーズンに生産と出荷ができることから葉わさびの生産を始め、30年以上になります。とびきりの笑顔で「葉わさびの美味しさをとにかく知って欲しいんよ!」と話す西岡さんは、葉わさびを使った料理教室を定期的に開催するなどして、その魅力をより多くの人に伝えるべく尽力しています。
収穫した葉わさびを春巻きの具にしたり、酢味噌で和えたり、西岡さん自慢のレシピは多岐にわたります。「食物繊維が豊富やけぇ、ちょっと食べただけでもお腹の調子がよくなるんよ!昔、介護をしとったばあちゃんが便秘で困っとったんやけど、葉わさび料理を食べさせたら、便通がようなった。ばあちゃんはびっくりしとったね(笑)」と健康面での嬉しい経験も語ってくれました。
かつては20戸以上参加していたという部会も、今では3戸のみとなってしまいました。担い手不足が深刻な悩みとのことですが、それでも西岡さんが努力を続けられる元気の源は、JAアグリあなんの職員さんたちの存在があるからだといいます。
「JAのみなさん、ごっつい雰囲気がええんよ。売店でも明るく接してくれるし、圃場に来てくれるときも、ニコニコして声をかけてくれるから、こっちまで笑顔になる。私もまだまだ頑張らなって思うね!」



弘法大師空海の霊場八十八ケ所を祈願して巡るお遍路の、第21番札所が太龍寺です。四国山脈の東南端、標高618メートルの太龍寺山の山頂近くに位置し、弘法大師が19歳のころに修行した場所として知られています。徳島県那賀郡那賀町にある「太龍寺ロープウェイ」は、「道の駅 鷲の里」から山頂までの全長2,755mを片道約10分で結ぶ、101人乗りの大型ロープウェイです。西日本最長の規模を誇り、エメラルドグリーンに輝く那賀川をゆったりと見下ろしながら、紀伊半島を一望できる高さまで登っていきます。太龍寺参拝の際はもちろん、秋には周囲の山々が赤く染まる絶景の紅葉を楽しむこともできます。

