



特有の豊かな香りとうまみの強さが特徴で、ヨーロッパでは高級きのことして販売されているコプリーヌ。聞き慣れない名前ですが、実は日本でも自生しており、きのこ狩りをする人の間では「ササクレヒトヨタケ」という和名で呼ばれることが多いそうです。ヒトヨタケという名前は、成長してカサが開くと、自らの酵素によって一夜のうちに溶けて姿がなくなってしまうことに由来します。そのため栽培・流通に向かない品種とされていましたが、カサが開く前に収穫して真空パックにするという工夫をすることで、成長を抑制して、出荷しています。コプリーヌはおがくずなどを原料とした菌床に菌をいき渡らせたのち、ピートモス(苔などの植物が堆積してできた天然の資材)をのせて栽培棚を作り、温度と湿度を調整した栽培棚で育成します。まだまだ流通量が少ないきのこですが、安定した生産のために日々研究が重ねられているようです。




コプリーヌに豊富に含まれているエルゴチオネインは、体内では作ることができない希少アミノ酸の一種です。抗酸化・抗炎症作用があることから、アンチエイジング効果が期待できると言われている今注目の栄養素。さらに、紫外線によるコラーゲン分解を抑える可能性があるという研究結果もあり、肌の老化が気になる方の強い味方になってくれそうです!
また、エルゴチオネインは一般的なきのこ類に多く含まれる栄養素として知られていますが、なんとコプリーヌにはしいたけの23倍ものエルゴチオネインが含まれているそうです。







2016年からコプリーヌを出荷している島田さん。先代となるお父様の代から合わせて、コプリーヌの出荷までに25年以上も試行錯誤を繰り返したそうです。「父はきのこ農家でしたが、僕はそばの製粉会社に就職しました。そこで働き始めて3年ほど経った頃、コプリーヌの栽培を始めようとした父親から、『なかなか発芽しないから、お前がやってみろ』と頼まれたのがきっかけで、家業を継ぎました」と、就農したきっかけを話してくれました。「コプリーヌの生産は本当に難しく、きのこの栽培資料だけでは情報が足りませんでした。そこで、他の野菜生育に関する本をたくさん読んだりして、ヒントを得たりもしました。例えば、トマトが甘くなるのは茎についた朝露によるストレスが理由だと知り、コプリーヌを栽培する部屋の湿度を変えてみるなど試した結果、やっと生育がうまくいくようになりました」。このようにコプリーヌと向き合い続けてきた島田さんは、その魅力について愛情たっぷりに語ります。
「カサはふわふわ、茎の上部は繊維質でシャキシャキ、下部はコリコリという3つの食感が楽しめます。味もしっかりしているので、シンプルな調理がおすすめです。実はきのこが嫌いな人にこそ食べてもらいたいんです。きのこってこんなにおいしいんだ、と感じてもらえるはずです!」



武田信玄と上杉謙信と言えば川中島の戦いが有名ですが、その舞台は川中島古戦場史跡公園として残されています。現在の名称は2017年からのもので、かつては八幡原史跡公園という名前だったことから、地元では「はちまんぱら」という呼び名で親しまれています。園内には1万2000平方メートルの広大な芝生地を生かしたピクニック広場や、ドッグランのほか、プラネタリウムを有する長野市立博物館などがあり、世代を問わず多くの人の憩いの場所となっています。また、園から少し離れた場所にある光林寺では、4月頃になると枝を広げた樹齢約300年のしだれ桜が、見事に咲き誇ります。

