



アフリカなど暑い国々を原産とするアロエですが、温暖な気候に恵まれている豊橋でも生産されています。アロエには観賞用と食用があり、食用として多く流通しているアロエベラは、観賞用として栽培されているキダチアロエに比べて肉厚で大きな葉をもつのが特徴です。特大サイズのものでは重さ約1kg、長さは1m以上にもなります。肉厚なアロエベラの皮をむくと、水分が滴るほどみずみずしい半透明な葉肉が姿を見せます。同時に、ぬるぬるとした粘液が出てきますが、それを水洗いしても、しっかりとした繊維質によって形が崩れることはありません。そのまま食べてみるとシャキシャキと歯触りがよく、味や香りはほぼないため、どんな味付けにもマッチします。天ぷらにすればぷるりとした舌触りが楽しめ、甘酢漬けにしてもさわやかな味わいで箸が進みます。さらに、食材以外での活用方法もあり、調理の時にむいた皮をネットに入れてお風呂へ入れると保湿効果が期待できる入浴剤としても利用でき、余すところなく楽しめます。




余ったアロエベラは甘酢漬けにすると便利です。そのまま食べてもおいしくいただけますが、ヨーグルトと和えたり、お寿司のネタとしても楽しめます。皮をむいたアロエを瓶に入れ、寿司酢とレモン汁を加えて、お好みで鷹の爪を足して冷蔵庫で3時間ほど冷やすだけで完成です!

可食部の99%が水分であり、100gあたり3kcalと低カロリーであるアロエはダイエットの強い味方です。さらに、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、リンなどの必須ミネラルを摂ることができます。また、アロエ独特の苦み成分であるアロエエモジンには、胃液の分泌を促す作用があり、ネバネバとした成分のムコ多糖体には、肌の保水力を高めたり、腸内バランスを整えてくれるなど、健康をサポートしてくれる栄養成分がたくさん詰まっています。







生竹さんがトラック運転手をしながらアロエベラの栽培を始めたのは、40年ほど前のこと。当初は観賞用のアロエを出荷していました。沖縄視察で食用アロエを目にしたことがきっかけで、豊橋のアロエも食用として流通できないかと考え、販路を開拓したのだそうです。それを機に専業農家となり、現在は家族3人で約8000株のアロエベラを栽培しています。
アロエは苗から育てると収穫まで2年ほどかかりますが、親株の幹の脇から生えてくる子株を株分けして育てると、1年で収穫が可能です。現在、生竹さんのハウスでは通年出荷をしていますが、冬季にハウスを温めるための燃料価格が高騰し、頭を抱えたそうです。試行錯誤を重ね、微生物が糖などを分解する際に発生する発酵熱で土の温度をあげ、暖房なしで栽培できる方法にたどり着いたと言います。「室温管理も大変ですが、アロエの葉はほとんどが水分なので、水をたくさんあげなくちゃいけない。高い畝を作る力仕事でも苦労しますし、収穫にも手間ひまがかかりますが、安心して食べてもらうために無農薬栽培にもこだわっています。安全なアロエベラを皆さんのもとにお届けしますので、ぜひ食べてみて下さい!」



豊橋にある吉田神社が発祥の地と言われる手筒花火。揚げ手と呼ばれる人が、長さ80cmほどの花火の筒を脇に抱えたまま大きな火柱を噴射させるのが特徴です。クライマックスには「ハネ」と呼ばれる大きな炎と爆音がダイナミックに響きわたります。手筒花火はのろしを原型に生み出されたとされ、吉田神社の祭礼で永禄3年に揚げられたという記録が残っています。筒となる竹の切り出しから火薬の仕込み、詰め込みまで揚げ手がすべて行うのが特徴で、近隣の有志が資金を持ち寄って実施することもあるのだとか。五穀豊穣、無病息災、悪疫退散、家運隆盛、武運長久といった願いを込めて、例祭に限らず夏祭りなど大小さまざまな祭で揚げられます。特に祭が多い10月には、市内40カ所以上で見ることができるそうなので、ぜひ一度ご覧になってください。
