



一般的なセロリと異なり、若芽(スプラウト)の状態で出荷されているサラダセロリーは、静岡県浜松市の地の利を生かして栽培されています。太平洋側に位置しており、比較的暖かい気候であることに加え、年間を通して約18度を保つ天竜川の伏流水を利用することで、寒さに弱いサラダセロリーを通年で生産しています。若芽のため、一般的なセロリと比べてとても柔らかい食感で、セロリ特有の風味もほんのりと味わうことができます。また、セロリに比べてクセが少ないので、さまざまな料理にマッチするのも魅力です。産地では、パクチーなどの香草の代わりにサラダセロリーを使っている料理店もあるそうです。




サラダセロリーは若芽で出荷されるため、セロリに含まれる栄養素が凝縮されていて、少量で効率よく栄養を摂ることができます。サラダセロリーの茎は細く、シャキシャキと歯切れがよいのが特徴です。その食感を生み出す理由は、豊富に含まれている食物繊維。サラダセロリーに含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維が多く、腸内で便のかさを増す働きをするため、便秘の解消が期待できます。また、出血時に血液を固める働きをしたり、骨からカルシウムが溶け出すのを防いだりする働きのあるビタミンKも含まれています。







水野裕之さんは、父・章芳さんのあとを継いでサラダセロリーの栽培をしています。セロリの水耕栽培に目をつけた章芳さんが、世界中に180品種以上あると言われるセロリの中から日本人好みの風味のものを選抜して海外から種を仕入れたり、気温や水・肥料をコントロールする設備を整えたりして、安定した生産ができるようになったのが20年ほど前。そして、現在は裕之さんが中心となって生産を行っています。
サラダセロリーは、一般的なセロリに比べてクセがなく、食べやすいのが特徴。「小学生の職場体験の受け入れを行っているのですが、セロリが苦手と言っていたお子さんが『サラダセロリーはおいしい!』と言って食べてくれることもあるんですよ」と、うれしそうに話す裕之さん。おすすめは、サラダセロリーを生ハムで巻いて、オリーブオイルと塩こしょうで味付けする食べ方なのだそう。「風味が飛んでしまうので、炒め物や揚げ物にするのはなるべく避けたほうがいいです。暖かい料理なら仕上げにトッピングするのがいいですよ」と、おいしく調理する方法を教えてくれました。



2023年放送の大河ドラマのロケ地にもなった浜松城公園は、約10ヘクタールの広さを有し、市街地にありながら鳥やリスが暮らすほど自然あふれる場所です。また、浜松市随一のお花見スポットともいわれ、約360本の桜が咲き誇る春には多くの人々でにぎわいます。浜松城公園のシンボルとなっている天守閣は、開園から8年経った1958年に市民による寄付で再建されたものだというエピソードからも、長い歴史の中で市民に愛され、守られてきた場所であることが感じられます。徳川家康の軌跡を知ることができる展示で知識を深めたり、イベントも開催される広い中央広場で思い思いに過ごしたり、日本庭園で四季折々の花や木の姿を眺めたりするなど、いつ訪れてもその時々の楽しみ方ができる公園です。
