ご当地イチオシの農産物と出会おう!with JAタウン

手塩にかけて育てたからこそ、たくさんの人に知って、味わって欲しい……。ご当地ならではの希少な農産物を、美味しいレシピや生産者の想いと共にお届けします。

今月のイチオシ農産物 しほうちく 四方竹(高知県)四角い断面が珍しい 秋に採れる希少なタケノコ

生産は限られた地域のみ 鮮やかな若竹色が食卓を彩る

高知の秋に欠かせないのが、断面が四角く、細長い形をした「四方竹」というタケノコ。タケノコというと、春に旬を迎える円錐状のタケノコ・孟宗竹(もうそうちく)を思い浮かべる方が多いと思いますが、四方竹は見た目に加え、秋に旬を迎えることも特徴です。元々は造園用の資材として使用されていた四方竹ですが、高知県では明治10年頃から食用として栽培されるようになりました。高知県の中でも一部の山間部のみで栽培される四方竹は、10月上旬から11月半ばの約1カ月だけ収穫されるとても希少なタケノコで、七ツ淵地区では20年ほど前から栽培が始まりました。収穫したその日に茹でてアク抜きしてからパック加工することで、鮮度と色鮮やかな若竹色が保たれて、手軽に調理をすることができるのも魅力です。

ご当地イチオシレシピ

シャキシャキ食感がやみつきに!

四方竹の炒め煮

材料(2人分)
  • 四方竹
    120g
  • 厚揚げ
    1/2丁
  • 豚バラ薄切り
    80g
  • インゲン
    50g
  • サラダ油
    大さじ1
■A
  • だし汁
    100cc
  • 大さじ2
  • みりん
    大さじ2
  • 砂糖
    大さじ1/2
  • しょうゆ
    大さじ1
作り方
  1. 1. 四方竹を斜め3cm幅にスライスする。豚バラは5cm幅、厚揚げは八等分に切り、インゲンは1/2サイズに切る。
  2. 2. 鍋に油をひき、四方竹と豚肉を入れ、油が回るまで中火で炒める。
  3. 3. 2に厚揚げとインゲンとAを加え、ふたをして8分煮る。

ハレの日のおもてなしにピッタリ

四方竹寿司

材料(2人分)
  • 四方竹
    200g
  • ごはん
    (固めに炊いたもの)
    1合分
    (150g)
  • 干しシイタケ
    (水でもどして粗みじん切りにしたもの)
    1枚分
  • ニンジン
    (粗みじん切りにしたもの)
    30g
  • 油揚げ
    (熱湯をくぐらせて粗みじん切りにしたもの)
    1/2枚分
  • インゲン
    (小口切りにしたもの)
    1本分
■A
  • だし汁
    100cc
  • 大さじ1
  • しょうゆ
    大さじ1/2
  • 砂糖
    大さじ1/2
■B
  • だし汁
    160cc
  • みりん
    大さじ1
  • しょうゆ
    小さじ1
■C
  • 米酢
    大さじ2
  • 砂糖
    大さじ1
  • 小さじ1/2
作り方
  1. 1. 干しシイタケ、ニンジン、油揚げ、Aを鍋に入れ、5分煮る。
  2. 2. 1にインゲンを加えて、汁気がなくなるまで5分ほど煮る。
  3. 3. 四方竹を3~4cm幅に切って筒状にし、鍋に入れ、Bを加えて5分煮る。
  4. 4. Cを混ぜ、炊き立てのご飯と混ぜ合わせる。
  5. 5. 1の汁気を切り、4と混ぜ合わせる。
  6. 6. 3の汁気を切り、5を空洞に詰める。

シャキシャキ食感のもとは食物繊維 カリウムや亜鉛も豊富

四方竹のシャキシャキとした食感は、不溶性食物繊維によるものです。便のカサを増したり、腸のぜんどう運動を促したりする働きで便秘の予防や改善に効果が期待できます。100gあたりのカロリーも約25kcalと低カロリーなので、ダイエット中にもおすすめの食材です。また、健康に必要不可欠な栄養素であるカリウムや亜鉛を多く含んでいます。特に亜鉛は牡蠣や豚レバーなどに多く含まれますが、野菜に多く含まれていることは珍しく、四方竹を食べることで、ヘルシーに亜鉛を摂取することができます。

生産者の声

こじゃんとうまいき、食ってみぃ!!(とてもおいしいから、食べてみて!) 七ツ渕筍加工組合 山本 巌さん

タケノコの生産歴は40年以上にもなり、七ツ淵で四方竹の生産が始まった当初から携わっている山本巌さん。四方竹が生い茂る圃場を案内してくれました。青々と育った竹は四角い形で節にトゲがあり、孟宗竹とは異なる姿をしていることがわかります。10月の旬を迎えると、早朝から四方竹の収穫が始まります。収穫された四方竹は選別を経て、昼前には加工場に届けられ、茹でたり、強いアクを水にさらして丁寧に抜いたりして袋詰めされていきます。「おいしさの秘訣は、朝採れと茹で加減。採る時間が遅いと硬くなり味が落ちる。そのため、早朝から圃場に出て9時半にはその日の収穫を終えます。50〜60cmほどに伸びたときが収穫のタイミングですが、一晩で10cm以上も伸びるので毎日の収穫が欠かせません。それに加え、しっかりとアクを抜きつつ、シャキシャキ食感に仕上げる茹で加減も難しい」と、四方竹の収穫と加工について教えてくれました。目安の茹で時間はあるものの、長年の経験値によるさじ加減があってこそ、アクがなく、食感のよい四方竹が出荷できるため、茹で時間など詳細な加工データは門外不出とされています。四方竹はこのような手間をかけ、調理しやすい状態で消費者の手元に届きます。山本さんのおすすめの食べ方はスライスして、甘辛く味付けした炒め物。四方竹の特長であるシャキシャキとした食感を楽しむことができます。

ご当地リポート 高知県高知市

土佐の名士として名高い、坂本龍馬。その龍馬が愛した場所だと言われているのが、月の名所として「よさこい節」にも唄われている「桂浜」です。桂浜の周辺一帯は桂浜公園として整備されていて、公園内の高台を登ると、大きな龍馬の銅像が鎮座しています。その眼下にはキラキラと水面が輝く青い海が広がり、龍馬も見ていたであろう絶景を堪能できます。桂浜を散策し、桂浜西に位置する竜王岬から壮大な太平洋を眺めるのも一興です。また、夜の海面に月が反射して光る道のように見える「ムーンロード」も、条件がそろった夜にのみ見ることができる神秘的な光景として人気です。

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