



高知の秋に欠かせないのが、断面が四角く、細長い形をした「四方竹」というタケノコ。タケノコというと、春に旬を迎える円錐状のタケノコ・孟宗竹(もうそうちく)を思い浮かべる方が多いと思いますが、四方竹は見た目に加え、秋に旬を迎えることも特徴です。元々は造園用の資材として使用されていた四方竹ですが、高知県では明治10年頃から食用として栽培されるようになりました。高知県の中でも一部の山間部のみで栽培される四方竹は、10月上旬から11月半ばの約1カ月だけ収穫されるとても希少なタケノコで、七ツ淵地区では20年ほど前から栽培が始まりました。収穫したその日に茹でてアク抜きしてからパック加工することで、鮮度と色鮮やかな若竹色が保たれて、手軽に調理をすることができるのも魅力です。




四方竹のシャキシャキとした食感は、不溶性食物繊維によるものです。便のカサを増したり、腸のぜんどう運動を促したりする働きで便秘の予防や改善に効果が期待できます。100gあたりのカロリーも約25kcalと低カロリーなので、ダイエット中にもおすすめの食材です。また、健康に必要不可欠な栄養素であるカリウムや亜鉛を多く含んでいます。特に亜鉛は牡蠣や豚レバーなどに多く含まれますが、野菜に多く含まれていることは珍しく、四方竹を食べることで、ヘルシーに亜鉛を摂取することができます。







タケノコの生産歴は40年以上にもなり、七ツ淵で四方竹の生産が始まった当初から携わっている山本巌さん。四方竹が生い茂る圃場を案内してくれました。青々と育った竹は四角い形で節にトゲがあり、孟宗竹とは異なる姿をしていることがわかります。10月の旬を迎えると、早朝から四方竹の収穫が始まります。収穫された四方竹は選別を経て、昼前には加工場に届けられ、茹でたり、強いアクを水にさらして丁寧に抜いたりして袋詰めされていきます。「おいしさの秘訣は、朝採れと茹で加減。採る時間が遅いと硬くなり味が落ちる。そのため、早朝から圃場に出て9時半にはその日の収穫を終えます。50〜60cmほどに伸びたときが収穫のタイミングですが、一晩で10cm以上も伸びるので毎日の収穫が欠かせません。それに加え、しっかりとアクを抜きつつ、シャキシャキ食感に仕上げる茹で加減も難しい」と、四方竹の収穫と加工について教えてくれました。目安の茹で時間はあるものの、長年の経験値によるさじ加減があってこそ、アクがなく、食感のよい四方竹が出荷できるため、茹で時間など詳細な加工データは門外不出とされています。四方竹はこのような手間をかけ、調理しやすい状態で消費者の手元に届きます。山本さんのおすすめの食べ方はスライスして、甘辛く味付けした炒め物。四方竹の特長であるシャキシャキとした食感を楽しむことができます。



土佐の名士として名高い、坂本龍馬。その龍馬が愛した場所だと言われているのが、月の名所として「よさこい節」にも唄われている「桂浜」です。桂浜の周辺一帯は桂浜公園として整備されていて、公園内の高台を登ると、大きな龍馬の銅像が鎮座しています。その眼下にはキラキラと水面が輝く青い海が広がり、龍馬も見ていたであろう絶景を堪能できます。桂浜を散策し、桂浜西に位置する竜王岬から壮大な太平洋を眺めるのも一興です。また、夜の海面に月が反射して光る道のように見える「ムーンロード」も、条件がそろった夜にのみ見ることができる神秘的な光景として人気です。
